うわさNEWS

うわさNEWS 9月13日
9月か10月にCOOLPIX B?

2015年7月12日日曜日

KLASSE S とモノクロ現像



久しぶりにフィルムカメラを使ってみました。
6月に親友の結婚式があったので、記念にフィルムで撮っておこうと思ったからです。
世の中デジタル製品ばっかりなので、フィルム写真を贈るとけっこう喜ばれますよ! (モノクロならポイント1.5倍!)



KLASSE S

カメラは富士フイルムの「KLASSE S」。 自分にとってはコンパクトカメラの楽しさを教えてくれた名機かつ愛機です。
発売はすでにデジタル全盛期に突入していた2007年で、富士にとっても最後のコンパクトフィルムカメラになりました。
KLASSE Sは単焦点38mm F2.8のレンズで、もともと高級コンパクトのシリーズだったこともあって写りの良さは折り紙つき。コントラストが高く、鋭さと柔らかさを併せ持った味わいある描写をしてくれます。

ちなみに兄弟機に「KLASSE W」というのもありますが、こちらは単焦点28mm F2.8なのでCOOLPIX Aと同じですね。
ぼくが28mmのAを選んだのも38mmのコンパクトカメラKLASSE Sをすでに持っていたからという理由が大きかったように思います。


フィルムカメラ  撮影からプリントまでの手順

フィルムはデジタルと比べて画像を確認するまでに手間と時間がかかります。
一般的に、フィルムの場合では撮影から画像確認まで早くても数日かかります。撮影から半年以上も放置していたこともありますので、何を撮ったか忘れてたりします。
行程は次のとおりです。

①撮影
レンズから入った光にフィルムの感光材料が反応します。感光材料には主に臭化銀が使われていて、光に反応した部分は銀に変化(還元反応)します。
この変化した銀を黒く変色させることによって画像ができるのですね。

②フィルム現像
フィルムを取り出し、現像作業によって感光した銀を可視化させます。
この作業によって初めてフイルム上で黒白が反転したネガ画像を見ることができます。

③プリント
現像したフィルムに光を通して印画紙に像を投影して焼き付けます。  
印画紙にも感光材料が塗られているので、作業的にはフィルムの現像作業と同じです。
暗室での作業ですがセーフライト(赤色灯)が使えます。


フィルム現像

現像所に出すこともできますが、今回は自家現像でやりました。
経験から言うと、モノクロ写真の場合は現像からプリントまで自分でやったほうがいい結果がでますよ。


フィルムは富士の「NEOPAN PRESTO400」です。
すでに生産終了になりましたが、10本ほど買いだめをして保管しています。
このISO感度400のフィルムをISO1600の設定で撮影して増感現像をしました。メインの撮影が屋内の結婚式や披露宴だったので失敗しないように感度を上げました。
 ISO400のフィルムでもあっても現像液の希釈濃度と処理時間を変えることによってISO1600のフィルムとして使用することができるのですね。

増感現像をすると画像(粒子)が荒れてたりしますが、フィルムの場合は粒子が荒れた写真も「味」があってぼくは好きです。粒子が粗いとエッジが立って写真にインパクトが出たりもしますからね。

フィルムの現像処理は「現像」→「停止」→「定着」→「水洗」→「乾燥」という5ステップがあります。
一応データを載せておきますね。人に教えれるほど詳しいわけではありませんので参考程度にお願いします。

PRESTO400をISO1600に増感現像
  1. 現像液: スーパープロドール 原液 水温21℃ 処理時間 8分15秒 1分ごとに10秒撹拌
  2. 停止液: 酢酸1.5%希釈 処理時間 約1分
  3. 定着液: マイフィクサー 希釈1:4 処理時間 約7分
  4. 水洗  : 水洗促進剤2分間(富士Q)のち水洗約30分
  5. 乾燥  : ドライウエルで処理し乾燥 (水道水を浄水器に通した水を使用)
こんな感じです。
たぶん現像作業にくわしい方はこのデータを見ただけで僕のおおよその経験値を割り出してしまうでしょうね。
そうです、フィルム時代もデジタル時代も写真好きはマニアックな知識に溢れた人たちの集まりなのです。笑
現像液の時間はおおむね製品の説明書どおりですが、ほかは長めに行っています。
とくに水洗に水洗不足で失敗した経験が何度かあるのでかなり長めだと思います。(水道代がもったいない。。)
とりあえず自分としては成功と呼べるネガができあがりました。せっかく撮ってきた写真も現像作業でがっつり失敗することがあるので今回は一安心です。

久しぶりの現像は新鮮で楽しい

 

プリント


フィルムはそのままでは像が小さい(24×36mm)ので引き伸ばし機を使って画像を拡大し、印画紙に焼付けます。
ぼくの引き伸ばし機は学生の頃、図書館で働いていた元カメラマンの女性から譲り受けたものです。(Fさんありがとう、まだまだ現役で使ってますよー。) 


引き伸ばし機の光がフィルムを通してネガ画像として投影されます。
それを印画紙に焼き付けることによってポジ画像にします。
露光した後はフィルム同様に「現像」→「停止」→「定着」→「水洗」と進めます。

プリント作業は人それぞれでテクニックも多岐に渡るので割愛しますが、大まかな流れを説明しておくと次のような感じになります。
  1. テストプリントを行う
  2. 露光時間やコントラスト(号数)を決める
  3. 再びテストプリントして足りない部分を突き詰める
  4. 本番プリント
  5. 失敗→再プリント→失敗→再再プリント→失敗→・・・(笑)・・→完成
テストプリントをした右側の写真では、左下の床部分が白く飛んでしまっています。
ネガでは床のディテールが残っているのでこの部分を多めに焼きこみます。 

実際のプリントはもうちょっといい感じ。汗

フィルムはデジタルに比べてハイライトからシャドーのダイナミックレンジが広いと言われていて、適正露出から3~4段オーバーしてもフィルム上には像が残っています。
ただし、そのフィルムの性能をきちんと引き出すにはプリント作業がすごく大事なんですね。

例えば、風景写真家のロルフェ・ホーン(Rolfe Horn)さんは自身のプリントテクニックを公開しています。プリントのやり方一つで一枚のネガからこれだけの情報が引き出せるんですね。いやはやお見事。


ぼくはデジタルカメラにおいてもなるべくRAW現像しています。
フィルムの手間を知っているせいかパソコンでの現像作業があまり苦にならないのです。
最近では露出を変えた複数の写真を合成するHDRなんてものも人気みたいですが、納得のいく写真を作りたいならばやっぱり労力を惜しまず自分で最後までやったほうがいいですね。

現在はネットオークションなどで暗室用品まるっと一式を格安で入手できたりしますので、現像作業に興味のある方はチャレンジしてみてください。フィルム製品はどんどん消滅していっているので今が最後のチャンスかもしれませんよ。
 


KLASSE Sは大きさがAと同じくらいなのでいつでもどこへでも持っていけます。
135フィルムですからもちろんフルサイズになりますのでAPS-C機とは根本的に写り方が違います。(高画質とかそういう意味ではなくて。)
画角も38mmと28mmなので気分によって使い分けができますし、何よりファインダーを通して撮影できるのがうれしいです。
背面モニターで被写体を見るのとファインダーで覗くのとでは撮影のスタイルも違います。
富士はデジタルになってもこの辺の思想をX100シリーズに受け継いでいるのでうれしい限りですね。
ただ個人的にはX100はもう一回り小さくなってくれないと持ち運びが面倒なんですよ。レンズも飛び出しているし、それだったらミラーレスでいいのではないかと思ってしまいます。

KLASSEは本来フィルターを装着できないのですが、ぼくのものは鏡筒部分をちょっとだけ改造してモノクロ写真用のフィルターを付けれるようにしています。
まあでも、元から十分にコントラストがあるレンズなのでフィルターがなくても全然OKです。
レンズの上の窓から測光を行うので、フィルターを使用する場合は自分で露出計算して設定をいじらなければなりませんし。
どちらかと言うとカラー写真で実力を発揮するタイプのカメラだと思うので、機会があればまた取り上げてみます。

現在は単焦点38mmを使用しているコンデジはありませんが、フィルム時代は40mmとかっていう微妙な画角のコンパクトカメラはけっこうありましたよね。(なかったっけ?)
この辺の画角は、唯一シグマのdp2が45mmだったり41mmだっだりとマイウェイを突き進んでいるほかは各社とも35mmか28mmで統一してるのはちょっと面白味に欠ける気がします。画角が近い分、カメラの住み分けが大変じゃないでしょうか。
ニコンさん、A後継機は38mmでもぼくは一向に構いませんゼ。

Yakushima, Japan with KLASSE S
もう一枚サンプル 【link to flickr】


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