
焦点距離28mmの広角レンズは一般に風景撮影に便利な画角です。遠景を撮影する場合は目に写った自然な広さで風景を切り取ってくれます。すべてにピントが合っているパンフォーカスでの撮影もやりやすいのでスナップショットを得意とするコンパクトカメラではよく使われる画角です。
ただ、人物や花など被写体に近づいて撮影する場合は広角レンズの特性上、画像の周辺部が引き伸ばされてしまい被写体に不自然な歪みが出てしまうので(撮り方にもよりますが)接写には少し不向きな画角でもあります。
また、焦点距離が短いためボケも得られにくいので、背景をボケで処理して主題になる被写体を浮き上がらせるような撮影もあまり得意ではありません。
被写体に近寄る場合は、ポートレートの撮影などでよく使われる80mm前後の中望遠レンズや、花や植物で活躍するマクロレンズなどが一般的だと思います。
COOLPIX A にも「風景は得意、接写は苦手」という広角レンズの基本的な特性が当てはまると思いますが、ボケの量に関してはとても大きく出るので使い方次第でいろいろな撮影や表現方法が楽しめるカメラだと思います。
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F3.2 SS1/250 ISO400 【link to flickr】 |
センサーサイズがAPS-Cと大型なので、1インチ以下のセンサーを使用したコンパクトカメラよりもボケの量は得やすいのは当然ですが、同じセンサーサイズの人気機種GRよりも単純なボケ量は大きいみたいなのでレンズ自体がボケそういう設計になっているのだと思います。(GRとのボケ量の比較は学研「高級コンパクト大図鑑」を参照しました。)
開発者のインタビューを読んでみてもレンズ設計がボケ味にこだわって作ったということなので、大きなボケはこのカメラの特徴の一つです。
オートフォーカスは通常撮影モードで30cm、マクロモードだと10cmまで被写体に寄ることができます。ちなみに細かいことですがAの場合の撮影最短距離は、センサーから被写体までの距離ではなく、レンズ先端から被写体までの距離になります。
どれくらいボケの量があるのか絞りを変えてテストしてみました。
被写体までの距離は約30cmです。感度はISO800で撮影しています。
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開放 F2.8 |
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F4 |
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F5.6 |
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F8 |
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F11 |
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F16 |
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F22 |
マクロモードでは最短10cmまで寄ることできますが、あまり寄りすぎると被写界深度が狭くなりすぎるのでピント合わせが難しくなります。絞り開放の場合、オートフォーカスも狙ったところにほとんど合ってくれないので、私の場合はだいたいマニュアルフォーカスで撮影しています。
Aにはフォーカスリングが付いていますのでマニュアルフォーカスも使いやすいです。・・・が、いかんせんシステム的な操作性が悪いので撮影は四苦八苦します。この辺のはまた機会があれば報告しますね。
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F2.8 撮影距離約10cm 【link to flickr】 |
雑誌や書籍を読んでいるとニコンのボケは硬いと表現されているのを見かけることがありますが、初めてニコン機を使ってみて何となくその意味がわかったような気がします。やわらかいボケというよりは少し硬めという印象を受けます。もちろん悪い意味ではありませんヨ。
さすがに高級なマクロレンズのようにとろけるようなボケ味ではありませんが、お散歩カメラとしては十分なボケ味ではないでしょうか。
こうじゃない、あーじゃないといろいろ絞りや露出の設定を変えて模索するのも楽しいです。何枚撮ったてフィルムと違いタダ!ですからね。
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